設計業務の流れ(店舗ができるまで)07 – 4つのステップ -
こんにちは。
東京を中心に住宅、店舗、商業施設などの設計業務を手がけている建築家の高山です。
目黒区祐天寺にあるヨガスタジオ・オハナスマイルさんのスタジオ完成までの道のりを、
設計業務に焦点をあてて私たち建築家や設計士の役割を紹介するこのコーナー、第7回目です。
店舗がオープンするまでの設計業務 07 (4つのステップ)
無事に賃貸契約日が決まったということで、オハナスマイルさんとは設計監理業務委託契約を
交わしていただきました。
ここで、一般的な設計監理業務全体の流れと各業務の目的を紹介したいと思います。
中高層のオフィスビルであろうと、住宅や店舗のように小規模なものであろうと、
基本的な流れはさほど変わりません。
- 設計監理業務全体の流れと各業務の役割 -
設計監理業務はプロジェクトの発生から建物の完成までの間で、次のように大きく
4つのステップに分かれます。
基本構想 → 基本設計 → 実施設計 → 工事監理
それぞれのステップの流れと業務内容を説明いたします。
1. 基本構想業務
ここでの目的はプロジェクトが成立するかどうかの判断と設計条件(基本方針)と
スケジュールの確立です。
判断の結果、プロジェクトにGOサインが出されれば、設計監理業務委託契約を締結し、
次のステップへと進みます。
建築物の規模により基本構想の期間は1,2週間から場合によっては数年にわたる
こともあります。
基本構想図面とスケジュール表
2. 基本設計
基本設計の目的は、建て主の要望に応じて基本的なデザインと仕様を決定し、基本計画図面に
まとめ、その図面に基づいた概算(あるいは概算見積)を作成(受領)することです。
プロジェクトの方針と予算を、建設費の概算に照らし合わせて再確認し、必要があれば
修正をかけてから、次のステップへ進みます。
基本計画書
3. 実施設計および確認申請
建物を実際に建設するための実施設計図の作成段階です。
基本計画書と概算をもとに、より詳細な図面を作成していきます。
完成した実施設計図面で施工者数社に本見積りを依頼します。
受領した本見積書を査定し、適正な価格(決して安ければいいというものではありません)
であると判断した会社を施工者として決定します。
金額調整が必要であれば若干の設計修正が加えられ、まとめた図面と本見積書が
工事請負契約書に添付されます。
これらの作業と並行して、確認申請書を確認検査機関に提出し、確認済み証の受領後に
工事請負契約が締結され、建設工事が可能となります。
実施設計図面と確認申請書類
4. 工事監理業務
監理者(多くの場合設計者と同一)の業務は、現場代理人(施工会社の現場責任者)を
介して、建設される建物の品質を監視するというのが基本的な内容です。
実際には、設計意図が施工者にきちんと伝わっているか、工事の工程に不具合がないか、
また技術的な問題等が発生した場合に施工者と共に解決にあたり、工事そのものの不備が
ないかのチェックも監理者の重要な業務となります。
同時に、行政や確認検査機関、消防等へ必要な手続きを行ない、竣工時の完了検査を終えて
検査済証を取得するまでが法規上必要な手続きとなります。
建物完成後に建て主と共に最終検査を行ない(必要があれば手直し指示を出し)、検査に
合格してようやく竣工・引き渡しとなります。
一般的なプロジェクトの流れは以上のような感じですが、オハナスマイルさんの場合は、
設計契約前にすでに基本計画が終了している段階まで来ていました。
というのも賃貸契約の交渉に必要な資料として、既に基本計画書に相当する図面と
概算書を得ていたからです。
したがって、設計契約と同時に本見積りのための実施設計図面の制作に入ります。
なお、今回のテナントは確認申請の計画変更届の提出が必要だという少し特殊な物件でした。
というのも、通常は建物本体完成時に受ける完了検査というものに合格しないと
建物の使用は認められない訳ですが、この建物は完成した2年前の時点で1・2階の
テナントが決まっておらず完了検査が受けれないので、すべてのテナントが入るまでは
建物の仮使用申請を行い、すべてのテナントの内装工事が完了した時に計画変更届を
提出してから完了検査を受けるということになっていたわけです。
よって、実施設計図面の作成と同時進行で計画変更届に添付するテナント内の図面を
私の方で作成し、必要な役所との協議を済ませ、なんの問題もなく完了検査に合格
できるように手配を済ませた上で建物本体の設計を行った設計事務所に図面を引き
渡さなければなりません。
(建物本体の完了検査自体は建物本体の設計を行った設計事務所が行います)
万が一、完了検査でなにか問題が発生すると検査済証(合格証みたいなもの)が受領
できず、建物の使用が開始できないため、オハナスマイルさんのオープン日に影響
してしまいます。
本体の設計事務所と内装工事を監理する私、双方の協力が不可欠なので、両者で綿密に
打合せを行いました。
施工者への見積り依頼の手配も行わなければなりません。
私の方で工務店、内装工事専門の施工者をそれぞれ1社ずつ候補に挙げ、先方の不動産
会社の関係工務店にも1社加わってもらい、合計3社に見積りの依頼をします。
10日後に実施設計図面と全体スケジュール、見積り依頼書を渡す約束をして、
本見積りの準備をお願いしておきます。
実施設計図には内装工事すべてのデザインと仕様を決定して図面に反映させなければ
成らない訳ですから、オハナスマイルさんとも毎晩のように打合せを行い、デザインを
決定して行きます。
完成した実施設計図を施工者に渡し、いよいよ本見積りを開始です。
- 設計業務の流れ(店舗の場合)08 へつづく -
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