監理業務の流れ(店舗ができるまで)02 – 床下地工事 -

こんにちは。
東京を中心に住宅、店舗、商業施設などの設計業務を手がけている建築家の高山です。
目黒区祐天寺にあるヨガスタジオ・オハナスマイルさんのスタジオ完成までの道のりを
一般の方向けに紹介するこのコーナー、監理業務編第2回目です。
監理業務編ではオハナスマイルさんの着工から竣工までの現場の進捗状況を
設計上やデザイン上のアイデアを設計者の視点から紹介しながら
お伝えして行きたいと思います。


店舗がオープンするまでの監理業務 02 (床下地工事)

着工後、2日目からは各スペースの床下地工事からスタートです。


 
- スタジオ -

ヨガスタジオですので、ユーザーが裸足で直接触れる部分である床仕上はもっとも
慎重に選択した部分でもありました。
「明るく健康的な雰囲気のスタジオにしたい」という基本なイメージから、
オハナスマイルさんからは基本的にパイン材を使用したいという要望がありました。

フローリングサンプル
パイン材(松)は明るい色合いと節による表情豊かな風合いが特徴で、住宅などにも
よく使用される人気の高いフローリングです。
ただし、非常に柔らかく簡単に傷がつきやすいのと、無塗装のままでは汗などが染込み、
いずれ臭いの問題がおこるというのがネックとなりました。
輸入材のなかにはフランスボルドー産のパイン材のように松にしては非常に固く、
申し分ないものもありましたが予算が合わずに却下です。
現場でウレタン塗装を施し、表面に塗膜を形成すればよいのですが、工期と予算の
問題でこちらも却下。
様々なカットサンプルを取り寄せ、オハナスマイルさんと検討を重ねた結果、
店舗専用に商品化された、幅135mm、厚さ19mmのパインフローリングの表面に、
透明なウレタン塗装が施されたものに決定しました。

パインフローリング塗装品
工場で塗装された商品ですので、表面も滑らかで固く美しいウレタン塗膜が施されています。
予算は幾分オーバーでしたが、オハナスマイルさんがもっともこだわりを持つ部分でも
ありましたのでメンバー全員の納得のいく商品を選んだ結果です。

仕上だけでなく、ヨガスタジオはフィットネスクラブほど激しい動きはありませんが、
下階へ振動・騒音などで迷惑がかからないように下地でもしっかりとそれらの問題に対処
しておかなければなりません。
根太下地でしっかりと不陸を調整し、構造用合板+遮音シート+フローリングという比較的
重装備でそれらの問題に対処します。

実際の施行状況です。

現場写真
根太施行状況。303mmピッチでしっかりとした下地を組んでもらいます。

現場写真
根太の上には厚12mmの構造用合板を敷き並べます。
フローリングがふわふわとしならないよう、踏み心地のよい剛性の高い下地を作ります。
遮音シートを全面に敷き並べるための下地でもあります。


- オフィス、エントランス&ショップ -

一方、スタジオ以外の2部屋は、エントランス&ショップ部分を土足で使用可能な店舗
用の直貼り用のフローリング(下地なしで接着剤を使用して貼ることができる商品)、
オフィス部分をタイルカーペットの無接着貼りとしました。
それぞれコンクリートスラブの上に直接施行が可能ですが、既存のスラブのままでは
不陸(凹凸)があり、きちんとした施行ができません。
こういった場合はモルタルなどにより不陸のないきちんとした下地を作る必要があります。

実際の施行状況です。

セルフレベリング材
今回は、既存のスラブの上にセルフレベリング材というものを流し込みました。
液体状のセメントみたいなもので、半日ほどで凝固し、不陸のない水平な床下地を
形成することができます。
これを、オフィス部分、エントランス&ショップ部分の床に施行し、それぞれの床仕上の
下地とします。

セルフレベリング材
オフィス部分のセルフレベリング材施行後です。

セルフレベリング材
エントランス&ショップ部分のセルフレベリング材施行後です。

正面の残った部分は床上げされて、レストルームと陳列棚、試着室となり、床下が左右の
ミニキッチンと洗面カウンターへの配管スペースとなります。

ショップフローリング直貼りタイプ
最終的に決定されたエントランス&ショップスペースのフローリングです。
エントランス&ショップスペースのフローリングはスタジオとのコントラストを
つけるため、細めで色目の濃いチェリー材としました。
ウレタンクリアーの塗装品で固くて傷がつきにくく、色ムラがあるため1枚1枚の
色が違い、表情豊かな味のある商品です。

カーペットタイル
オフィス床のタイルカーペットです。
オハナスマイルのメンバーは移転前のオフィスがSOHO仕様のマンションだったためか、
みなさんスリッパを履きません。
したがって、長めのパイルを使用した柔らかい感触の、シックで落ち着いた色身の
カーペットを無接着貼りとしました。
無接着としたのは、LAN配線などをカーペット下に敷設したり、汚れた部分の取り替えを
素人でも簡単に施行できるようにするためであると同時に、将来的な事務所仕様への改装
工事をやりやすくする意味もあります。

実際の床の仕上材の施行はもう少し後となります。
床仕上を傷付けたり汚したりしないように、天井下地や設備配管等その他の工事を
先行させて行います。


- 監理業務の流れ(店舗の場合)03 へつづく -

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